( ・∀・)うたかたの夢のようです 2009.04.11
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
曖昧な世界。
行き先も定まらず、ひたすら歩いた。
顔見知りの猫と会釈する。ニャオ。
猫は街を横切る。
僕は街を見回す。
( ・∀・) 「まるで、コンクリートの森みたいだ」
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
あい曖な世界。
空ではウィルスだらけの鳩が飛ぶ。飛ぶ。
万感の風を受けながら、歩いた。僕はなだらかに死に向かっていた。
( ・∀・)「別に悲しくは無いのさ」
ダウト。
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
あいまいな世界。
・・・・・・かなかなかなかなかなかなかなかな・・・・・・
こんな時間にひぐらしがなく。夜だというのにひぐらしとはこれいかに。
・・・・・・かなかなかなかなかなかなかなかな・・・・・・
ビルに止まるひぐらし。僕はいささか混乱しつつも、歩き続けた。
・・・・・・かなかなかなかなかなかなかなかな・・・・・・ぽとり
( ・∀・)「ダウト
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
あいまいなせ界。
やがて僕は雑踏に呑まれ、どの方向に歩いてるのかさえわからない。
交差点に着いた。
カッ カッ カッ
バス停に着いた。
* * * *
* * * *
* * * *
* * * *
交差点は足音だらけで、バス停は足跡だらけだった。
乗客のいないバスに乗り込む。運転手は異邦人だった。
いや、僕が異邦人だったのかもしれない。運転手を絞め殺した。
乗客が一人増えた。それはエスキモー。僕はアウトロー。
彼が問う。なぜ殺したのかと。
綺麗な満月を指差しては僕はこう言った。
( ・∀・)「だって太陽が眩しかったから」
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
あいまいなせかい。
バスのステレオから突然流れ出す音楽。
前世紀の曲だろう。
桜の散りざまと、人生の終わりを掛けた歌が流れる。
轟々たる川の流れを歌う曲が流れる。
青いりんごと赤いりんごをテーマにした歌が流れる。
運転手はエスキモー。
( ・∀・)「いつか歌われた、グリーンアップルの叶わぬ恋。口づけはない」
( ・∀・)「タラタラッタッタタラッタッタ」
( ・∀・)
その日は朝から夜だった。
曖昧な世界は止まる。
やがてバスは知らない場所に停まる。
現在地を示すボードには桜の名を冠した地名。
知ってる。
イ从゚ ー゚ノi、
美しい少女が僕を出迎えた。エスキモーは砂漠に帰った。
夜桜ちりちり、舞い落ちる。
イ从゚ -゚ノi、
花びらは散る。脳裏に泣き顔の彼女。思い出した、確かあれは。
( ・∀・)「夜桜とやさしい暗闇と僕と君」
違う。
( ・∀・)「揺れる月と、揺れない僕、揺れる君」
違う。
( ・∀・)「舞い落ちる桜の花びらで思い出す、あなたの涙……ぜひ抱き合いたくなるようなシチュだね」
散った花を跨いで歩き、彼女に手を伸ばす。消えた。
月のうたかたのライトも消え、僕もやはり、それに倣った。
明瞭な世界は進む。
( ・∀・)
∀
end
お題
・乗客のいないバス
・舞い落ちる桜の花びらで思い出す、あなたの涙
・綺麗な満月
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