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( ^ω^)笑顔は歪んでいるようです   2008.10.14


ざあざあ、と雨の音が白い空間に広がります。

( ^ω^)「…………」

その中で、僕は彼女を見つめていました。
見つめている事しか、出来ませんでした。

('A`)「なあ、ブーン」

いつの間にか横にいたドクオから声を掛けられて、
それでも、彼女から目を離さずに答えます。

( ^ω^)「……なんだお?」

('A`)「大丈夫、なのか?」

こんな時くらいは――と、遠慮がちな声が病室に響きました。

( ^ω^)「……君は、僕を過大評価しすぎだお」

ようやく彼女から目を離し、眉尻を下げながら彼に笑いかけました。
彼は頭を掻きながら、顔を伏せていて。
彼の少し長い髪の毛で、その表情は伺えません。

( A )「そんな事ない! だって、お前は――!」

( ^ω^)「だから、僕は泣けないんだお」

反論しようとしているドクオに強引に言い聞かせるように、僕は笑います。

( ^ω^)「僕に残された表情はこの、歪な笑みだけなんだお」

それでも傍にいてくれた彼女は救いだったし、眩しくもあったけれど――

( ^ω^)「それに、僕が殺したのに泣くなんておかしいから」

僕は生まれながらの殺人鬼でした。
直接手は下さずとも、周りの人達が必ず死んでいく。
それは、殺人者以外の何者にもなれないでしょう?

( ^ω^)「何度も言うけど、ドクオも早く僕から縁を切るといいお」

('A`)「…………」

そこで顔を上げたドクオは、まったくの無表情でした。
高校の時からこの話をする度に、彼は、この顔で、僕の目を見ながら、こう言うのです。

('A`)「死ぬのが怖くて、友達なんかやってられっかよ」

と。


ああ、僕はこの言葉にどれだけ救われているのだろう。
しかし、救われながらも、僕は――

( ^ω^)「僕は、」

親しい誰かが死ぬ度に、僕の何かが悲鳴をあげます。
好きな誰かを殺す度に、僕は笑みを深くするのです。

( ^ω^)「君まで殺したら、どうなるのか分からないお」

('A`)「そいつは光栄だね」

鼻で笑いながら、僕から目を逸らしながら、ドクオは言いました。

('A`)「縁切れ、縁切れ言われるからどう思われてたか心配だったんだぜ?
    ……俺はこの世に未練なんかないし、別に殺してくれても構わない」

( ^ω^)「でも、」

('A`)「いいんだよ」

言いかけた僕をねじふせるように。
そして寝ている彼女の髪を撫で、笑いました。

('∀`)「じゃあ、またな」

( ^ω^)「――うん。またね……だお」


彼のいなくなった病室で、僕は彼女を見つめていました。

( ^ω^)「君達は勝手だお」

死ぬと分かっていながら、僕に話し掛けてくれるのですから。

それは、救いであると同時に――

( ^ω^)「僕は、怖いんだお」

ああ、僕はあの言葉にどれだけ救われているのだろう。
しかし、救われながらも、僕は、恐怖しているのです。

いつか彼を殺す日が来るのではないか、と。

( ^ω^)「君は、どうなんだお?」

さっきドクオがしたように、綺麗な髪を撫でて、精一杯の笑顔をつくります。
歪んだものではなく、心からの笑顔を。
それは周りから、どう見えていたかは知らないけれど――


( ^ω^)「何で、僕の傍に」

当然、返事はありません。
先程より強くなった雨が。
それが、地面を叩く音が、この空間を支配しました。

( ^ω^)「…………そう、だおね」

それでも、彼女は何かを伝えてくれたような気がしました。
もう一度彼女の髪を撫で、冷たくなった手を握り、握手をします。

僕は、君を殺してしまったけれど。
遠ざけようとしてしまったけれど。

( ^ω^)「大好きだったお」

立ち上がり、振り返ることなく、病室を後にしました。

いつか、僕はドクオを殺してしまうのでしょう。
しかし、今ほど後悔することは無いと思います。

僕は――


( ^ω^)「じゃあ、またね」

外から、彼女の病室に声を投げかけます。
この声は、届いたでしょうか。

――ざあざあ、と響く雨が彼女の声に聞こえました。

( ^ω^)「今日は、濡れたい気分なんだお」

雨の中、両手を広げて、僕は、走り続けます。
ブーン、と彼女のくれたあだ名を叫びながら。
彼女の声に聞こえた雨を、全身に浴びながら。

( ^ω^)「ありがとう」

はっ、と息が切れてその合間にぽつり、と呟きました。
彼女は、僕に明らかな光をくれました。

「きっと、それは、友情とか愛情と言うものなんだよ」と。

僕の頬から、雨が一筋流れました。

僕は、泣いていたかもしれません。
僕は――泣けたのかもしれません。


タイトルが無かったのでそれっぽいのをつけました

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