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ドクオと妹のようです   2008.09.28


妹が死んだ

自殺だった

仕事でストレスがたまってたようだ
一週間程前に医者に鬱病と診断されていたらしい
自分がそんな状況でも俺に対しては笑顔で接してくれていた

仕事でストレス?
働いていない俺には分からない
そんな俺が情けなかった

もし俺が働いていたら相談に乗れた気がして
そうすれば妹は死ななくても済んだような気がして泣いた

一晩中泣き続けて明け方には意識が朦朧としていた

ただ、妹が死んだという事実だけははっきり分かった
そして悲しくて、再び泣いた

遺品を整理していた時、俺に宛てられた手紙を見つけた
俺は、その手紙を読む勇気が無かった
俺は今まで楽して生きてきた
そんな俺に苦労している人間の文章を読む資格があるのか分からなかった


三日後、やはり俺は手紙を読んだ
そこには、ひたすら俺の幸せを願った文章が敷き詰められていた

妹は俺より遥かに立派な人間だ
そんな人間が俺の幸せを願ってくれている
俺は、生きてて申し訳なかった



その日、俺は死んだ



そして今、生まれ変わった俺は人の心のケアの仕事についている
人の悩みを聞いているのは辛い
しかし、これで皆が少しでも救われると思うと辛さは消える

今の俺は妹に近付けているだろうか

近づきたいと願い続けて
決して近付けずに俺は死んでいくのだろう
それでもいい
妹は俺が近付けるような人間じゃない

俺は、妹が望んだ俺の幸せを手に入れた


それだけでいい
それで、きっと妹は満足するはずだ

あの時、妹が死ななかったら今頃自分はどうなっていたのだろう
そう考えると恐ろしい
妹のおかげで俺は変わった
俺が生まれ変わった時、俺は遅すぎたかなと思った
しかし、そんなことは無かった
俺が思うに神は、才能が無くても死ぬほど努力した人間には幸福を与えるのだと思う

人は、強い意志があればやり直せる
遅すぎる事なんて決して無い


('A`)「ふぅ…
    こんな感じでいいかな」

(*゚ー゚)「ねー まだ行かなくていいの?」

('A`)「もうすぐ行くよ~
    ちょっと待ってね」

男は原稿の最後にこう付けたし、ペンを置いた





妹のことを思うとき、俺はいつもこう思う

        『ありがとう』




('A`)「もう10年か…」

(*゚ー゚)「早いね…」




('A`)「ありがとう…」

墓の前、男は1人呟いた



おしまい

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