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( ´_ゝ`)が(´<_`  )の見舞いにくるようです   2008.09.21

病院の廊下を2人の男女が歩いていた。

男の名前はブーンといい、知人の見舞い品と思われる果物の入った箱を下げて、
隣を歩く、まだ幼さの残る少女に向かって話し掛けている。

( ^ω^)「死者21名、負傷者50名・・・ほんとにひどい事故だったおね。
・・・弟者の様子はどうだお?」

弟者というのはブーンの隣を歩く少女、妹者の兄であり、今現在この病院に入院している。
友人であるブーンは、妹者と共に、電車の脱線事故で怪我をした彼の見舞いにやってきていた。

l从・∀・ノ!リ人「怪我の方は順調に回復してるのじゃ。
ただ・・・」

言葉に詰まり、顔を曇らせる妹者。

( ^ω^)「・・・やっぱり、記憶はまだ戻らないのかお?
l从・-・ノ!リ人「うん・・・お医者さんは、一時的なものかもしれないって言ってたけど、
事故以前の記憶は本当に思い出せないみたいなのじゃ」

妹者は心に深い悲しみを抱え、ますます表情に影を落としていく。
そんな彼女の心痛な胸の内を思い、ブーンはどうにか元気づけたいと言葉を紡いだ。

( ^ω^)「そうなのかお・・・。
でも、命があっただけでも本当によかったと思うお。
本当なら死んでるところだったんだから。
記憶だって、そのうち戻るかもしれないお?
だから、妹者も元気出してほしいお」

l从・∀・ノ!リ人「うん・・・ありがとうなのじゃ」

やがて2人は、弟者が入院しているらしい病室の前へとついた。
妹者が先に立ってドアを開け、中へと入っていく。



ベッドの上では、頭に包帯を巻いた弟者が上半身だけを起こし、
こちらに視線をむけていた。

l从・∀・ノ!リ人「おはようなのじゃ」

(´<_` )「妹者ちゃんか。おはよう。
後ろの人は?」

l从・∀・ノ!リ人「もう、妹者でいいって言ってるのじゃ。
こっちはブーンさん。お見舞いに来てくれたのじゃ」

( ^ω^)「こんにちはだお、弟者。
僕はブーンっていうお」

(´<_` )「こんにちは」

( ^ω^)「えっと・・・自己紹介させてもらうお。
僕と君とは中学時代からの友達で、
高校も同じところに行って、今は同じクラスなんだお。
・・・思い出せないかお?」

少し戸惑い気味に投げかけたブーンの質問に対し、
弟者は少し目を細め数秒間俯く。

(´<_` )「・・・悪いが、やはり思い出せないみたいだ」

( ^ω^)「そ、そうかお・・・」

(´<_` )「すまないな。わざわざ訪ねてきてくれたのに」



申し訳なさそうに謝る弟者に、慌ててブーンが首を振る。

(;^ω^)「い、いいんだお。こっちこそ、いきなり来て驚かせちゃったかもしれないお。
あっ・・・そうだ、メロン持ってきたんだお!
これ食べて、怪我のほうも早く治してほしいお」

(´<_` )「ああ。ありがたく頂くよ」

( ^ω^)「あんまり長居すると疲れさせちゃうかもしれないから、今日はもう帰るお」

(´<_` )「そうか。
今日はわざわざお見舞いにきてくれてありがとう。ブーンさん」

( ^ω^)「友達なんだから、ブーンでいいお。
・・・それじゃ、また来るおね、弟者」

l从・∀・ノ!リ人「ブーンさんを送ってくるのじゃ」

(´<_` )「ああ」



ガチャ


( ^ω^)「・・・なんだか変な感じだったお。弟者と初対面同然で会話するなんて」

l从・-・ノ!リ人「ブーンさん・・・その、ちっちゃい兄者はああなってしまったけど
出来たら、これからも仲良くしてあげてほしいのじゃ。
迷惑かもしれないけど・・・」

( ^ω^)「何言ってんだお妹者。そんなのあったりまえだお。
記憶が無くなったって、弟者は僕の大切な友達だお!
迷惑だなんて思うわけないお」

l从・∀・ノ!リ人「本当なのじゃ?
・・・ありがとう。ブーンさんは優しいのじゃ」

( ^ω^)「そんなことないお」

妹者を安心させるように、微笑むブーン。
しかし、出口間近のロビーにさしかかったあたりで、
それが若干険しい顔つきとなり、隣を歩く妹者に声を潜めて尋ねた。


( ^ω^)「・・・ところで・・・、やっぱりあのことは弟者には言ってないのかお?」

l从・-・ノ!リ人「・・・うん。忘れてるのなら、無理に思い出させる事じゃないって・・・。
みんなで話し合って決めたのじゃ」

( ^ω^)「そうかお。・・・確かに、それがいいのかもしれないおね」

l从・-・ノ!リ人「・・・」

2人の間にしばしの沈黙が訪れる。

と、そこで、自動ドアの設置されている出口の処まで来たことに気がついた。

( ^ω^)「・・・あ、ここまででいいお。送ってくれてありがとう。
それじゃ妹者、おばさんによろしくだお」

l从・∀・ノ!リ人「うん。さよならなのじゃ」

病院の入り口に立ち、小さく手を振る妹者に向かって
ブーンは元気を出せという意味なのか、拳を胸の前でぐっと握りしめ
気合いを入れるポーズをしてみせる。

そんな彼を苦笑しながら見送ると、妹者はまた弟者のいる病室へと引き返した。
少しの間話をして、自分も家へと帰っていく。


妹者が帰り、しばらく経った頃
三人目の来訪者が弟者の病室を訪れた。

( ´_ゝ`)「やっほー弟者」

声のした方に目を向ければ、
自分と同じ顔をした男がドアに寄りかかり手を振っている。


(´<_` )「兄者か」

( ´_ゝ`)「ああそうだよ。元気か?
俺のこと、何か思い出した?」

(´<_` )「いいや」

( ´_ゝ`)「ふうん。やっぱり打ち所が相当悪かったみたいだな。
ちゃんと意識はっきりしてるか?1+1は?」

(´<_` )「2」

( ´_ゝ`)「正解正解よくできました。つまんね」

(´<_` )「病室に来るたびいちいち人を正気かどうか確認するのやめてくれ」

(*´_ゝ`)「おっ、メロンだ!」

(´<_` )「聞けよ」


( ´_ゝ`)「ふむふむ、これはなんという高級メロン。
間違い無く貧乏性なうちの家族からの差し入れではない」

(´<_` )「今日妹者と一緒に来た、ブーンという人がくれたんだ」

( ´_ゝ`)「あぁブーンね。語尾におっおってつけるニヤけピザだろ」

(´<_` )「俺の友達だと言っていた。
兄者もブーンとは友達なのか?」

( ´_ゝ`)「ノンノン、あいつは俺の舎弟ですうー」

(´<_` )「嘘だろ。メロンの箱抱えて涎垂らしながら言っても説得力無いぞ」

( ´_ゝ`)「だって美味そうなんだもん!なあこれ食っていい?食っていいよな?
えーとー・・・果物ナイフはこの引出しか」

こちらの言う事に耳を貸さず、勝手に引き出しから果物ナイフを取り出して
メロンを切り始めている兄者を見て、弟者は呆れの混じった溜息をついた。


(´<_` )「・・・」


自分の兄だというこの男は、毎日病室を訪れては好き勝手やって帰っていく。
その態度は、記憶を失ってから弟者を尋ねてくるどの人間のものとも違うのだった。

記憶の無い弟者に会いにくる人達は大抵、哀れみや、同情に落胆
そういったマイナスの感情を笑顔の後ろに携えてここを訪れる。
しかし自分にそっくりな顔をした、兄者という男にはそれが見当たらない。

病室という陰鬱な雰囲気にそぐわない、脳天気なマイペース加減には少々疲れさせられるものの
弟者は心のどこかで気持ちが晴れていくのを感じていた。



窓から日の沈んでいく様子を眺めていると、
ベッドに腰掛けていた兄者が背をむけたまま呟いた。


( ´_ゝ`)「・・・まあ、あいつはいい奴だよな」

(´<_` )「?」


( ´_ゝ`)「ブーンだよ。あれだけお人好しな奴もそういない」

(´<_` )「ああ、そうだな。優しそうな人だった」

( ´_ゝ`)「なんか癒し系オーラ出てただろ」

(´<_` )「それは分からんが・・・いい人だっていうのは分かる」

( ´_ゝ`)「メロンくれたしな。
とりあえず悪い奴じゃないから、なんかあったら遠慮無く頼れよ?
あいつは正真正銘お前の友達なんだから」

(´<_` )「?ああ」

( ´_ゝ`)「もう、帰るな」

(´<_` )「うん」

( ´_ゝ`)「また、明日な」


それだけ言うと、兄者は病室から静かに出て行った。


それからも何人か、自分の友達だという人間が病室を訪れて来たが
弟者はどの顔を見ても、自分の記憶の中から該当する人物を引き出す事ができなかった。


「今日はドクオが来たのか。
あいつは根暗でキモオタで女にモテないどうしようも無い奴だが、
まあ優しい一面もあるよな」

「ジョルジュ?同じクラスだったこともあるけどあまり面識は無いな。
興味単位で見にきただけだろう」


自分が思い出せない人物達のことを、
毎日やってくる兄者は一部偏見を混ぜながらも事細かに教えて帰っていく。

記憶を失って、自分が周囲の人間とどんな付き合いをしてきたのか、
信頼できる友人は誰かなどなにも思い出せない弟者にとって、
この兄の話は聞くに楽しく、かつ貴重な情報源となっていた。


そして、いつものようにベッドに腰掛けながら一人語っている兄者の話を聞いていた時
弟者はふと、あることに気がついた。
それを、丁度話に区切りがついたらしい、兄者へと投げかける。

(´<_` )「兄者」

( ´_ゝ`)「なんだ?」

(´<_` )「兄者は俺の交友関係をとても詳しく知っているんだな。
どれくらい親しいかとか、事細かな思い出まで」

( ´_ゝ`)「そりゃあ俺はお前の兄だからな!
片思いを寄せてるおにゃのこの事までお見通しだ」

(´<_` )「ふうん・・・。
よっぽどいつも一緒にいたんだな」


このとき

弟者は、何気なく自分の口にした言葉の中に、何かひっかかるものを感じた


( ´_ゝ`)「ああ。
いつも一緒だったさ」


だが、その違和感の正体がなんなのか
こちらに返答する、兄者の温和な笑顔を見たらどうでもよくなり
先ほど弟者の中で生じたひっかかりは霧散してしまった。


~~~~~~~~

その日もブーンは弟者の病室を訪れようと妹者に連絡をいれていた。
やはり彼は兄者の言うとおり相当なお人好しのようだ。
学校が終わってから、時には果物やケーキなどを持参して、
他のどの友人よりも頻繁に弟者の見舞いにやってくる。

( ^ω^)「あ、妹者!こっちだおー!」

妹者と待ち合わせをして病院へ向かおうとした時、
先ほど合流した妹者が、真剣な面持ちでブーンに話かけてきた。

l从・-・ノ!リ人「ブーンさん、聞いて欲しいことがあるのじゃ」

( ^ω^)「お?なんだお?」

l从・-・ノ!リ人「その、妹者は・・・
やっぱりちっちゃい兄者にあのことを教えようと思うのじゃ」

(;^ω^)「えっ!?」

妹者の発言に目を丸くする。

(;^ω^)「で・・・でも」

l从・-・ノ!リ人「だって・・・このまま何も知らないままなんて、ちっちゃい兄者が可哀相なのじゃ。
ちっちゃい兄者だけじゃない。
おっきい兄者にだって・・・悪いと思うのじゃ」


ブーンを見上げる妹者の目が不安を主張している。
きっと彼女も、その事実を教えるべきなのか、隠し通すべきなのか
自分が取るべき最善の道を悩みに悩みぬいて結論を出したのだろう。

それが正解なのかどうかは分からない。
だが、記憶を無くした兄に隠し事をする後ろめたさに
心優しい妹は絶えられなかったのだ。

そんな彼女の意を察して、ブーンは反論することをやめた。

( ^ω^)「・・・わかったお。妹者がそう決めたのなら、それでいいと思うお。
ただ、なにかあったらいけないから、ブーンも付き添っていいかお?」

l从・∀・ノ!リ人「うん。ありがとうなのじゃ」

お互いの意見を承諾しあうと、2人は弟者の入院している病院へと歩き出した。


~~~~~~~~


( ´_ゝ`)「少し、長居しすぎたみたいだ」


弟者の隣のベッドに腰かけて、背を向けたまま兄者が呟いた。

(´<_` )「?何言ってるんだ兄者。今来たばかりじゃないか。
今日は珍しく、いつもより早い時間に」

( ´_ゝ`)「お前が心配で、ついな。
・・・でも、もう行く」

(´<_` )「もう?
何か用事でもあるのか?」

( ´_ゝ`)「うん。行かなきゃいけないんだ」

(´<_` )「そうなのか」

兄者はそのまま立ちあがると、短く じゃあな、弟者。
とだけ言って、ドアの方へ向かっていく。


(´<_` )「・・・」

兄者の様子がいつもと違う。
そう感じた弟者は、病室を出て行こうとするその背中をひきとめた。

(´<_` )「兄者」

( ´_ゝ`)「ん?なんだ」

兄者がこちらを振り返る。
自分の姿が映ったその瞳の中に
どこか悲しそうな色が混じっているように見えたのは気のせいだろうか。

何も考えずにひきとめたので、一瞬何と声をかけようか悩む。
そして、兄者がなにか悲しい思いを抱えているのならば、
少しでもいいニュースを聞かせよう。と思い、弟者は口を開いた。

(´<_` )「お医者さんが言ってたが、
怪我の方も順調に回復しているし、もう少しで退院だそうだ」

( ´_ゝ`)「そうか」

(´<_` )「記憶のほうは、自宅治療で気長に回復するのを待つしかないそうだ。
もうしばらく、迷惑かけることになる」

( ´_ゝ`)「お前は何も気にしなくていい」


(´<_` )「・・・でも」

(´<_` )「もう少しで、全部思い出せそうな気がするんだ。
家族や友達のことも、兄者のことも」

( ´_ゝ`)「・・・」

(´<_` )「なにか、頭の中のひっかかりが取れれば・・・
全部、一気に思い出せそうな気がする」

( ´_ゝ`)「・・・ひっかかり?」

(´<_` )「うん。上手く言えないが・・・
なにか、モヤモヤしたものがあるんだ。
それが取れたら、記憶も戻るかもしれない」

( ´_ゝ`)「ふぅん」

(´<_` )「とにかく、俺も努力してみるから。
みんなのことを思い出せるように」

( ´_ゝ`)「・・・」


( ´_ゝ`)「・・・俺のこ・・・思・・・さなくていい」


(´<_` )「え?兄者、なんて?」

( ´_ゝ`)「・・・いや、なんでもない。
弟者、焦らなくてもいいぞ。記憶が無くたって、
お前のことを悪く思ってる奴なんて、一人もいないんだからな。

・・・さて。じゃあもう、行かないと」

(´<_` )「うん。ありがとう兄者。
また明日、な」

今日この病室に来てからずっと、どこか表情に影を落としていた兄者が、初めて弟者に笑いかけた。


( ´_ゝ`)「ああ。また―――」



ガチャッ


病室のドアが開き、妹者とブーンの姿が見えた。
いつの間にか既に、いつもの面会時間になっていたようだ。

(´<_` )「妹者にブーン。こんにちは」

( ^ω^)「おっおっ、こんにちはだお弟者!」

l从・∀・ノ!リ人「少し遅くなっちゃったのじゃ」

2人が、自分の荷物を置き、見舞い客用のイスに腰掛ける。

しばしの沈黙。

何も喋り出さない2人に対し、弟者が疑問に思った時。
ブーンが、重い響きを含ませて口を切った。

( ^ω^)「弟者。今日は、大事な話があるんだお」

(´<_` )「?」

( ^ω^)「ずっと君に隠していたことがあるお」


隠していたこと?
隣の妹者を見ると、なにを思いつめてか、じっと俯いて自分の手を見つめている。
部屋の空気が、緊張したものに変わった。
ブーンは弟者をまっすぐ見て、言葉を紡ぐ。

( ^ω^)「今まで、君がショックを受けるといけないと思って、
みんなで相談して黙っていたんだお。
でも、信じてほしいお。
みんな、悪気があったわけじゃなく、君のためを思って、秘密にしていたんだお。
・・・騙されていたと感じるかもしれないけど、
そのことだけは理解した上で、聞いてほしいお」

(´<_` )「ショックをうける?騙すって・・・?
なんのことだ、ブーン。ちゃんと教えてくれ」

突如ブーンの口から紡ぎ出されていく意味深な言葉の数々に、弟者は眉をひそめる。
弟者に促され、さらに言葉を重ねようとしたブーンを、妹者が制止した。

l从・-・ノ!リ人「待って。ここからは、妹者が話すのじゃ」


( ^ω^)「・・・」

l从・-・ノ!リ人「・・・聞いてほしいのじゃ」

(´<_` )「うん」

l从・-・ノ!リ人「さっきブーンさんが言ったとおり、妹者達はずっと、ある事を隠していたのじゃ」

(´<_` )「それは、俺の記憶喪失に関係している事か?」

l从・-・ノ!リ人「うん。
教えるべきか、教えないべきか、悩んだのじゃ。
忘れているのなら、ずっと知らない方がいいのかもしれない。
でもやっぱり、弟者は知らなければいけないことだと思ったのじゃ。
だから、話すのじゃ」

(´<_` )「・・・」


l从・-・ノ!リ人「それは・・・兄者のことなのじゃ」


( ^ω^)「・・・」



(´<_` )「・・・?兄者がどうかしたのか?」


(;^ω^)l从・-・;ノ!リ人『!』

何気なく聞き返した弟者に、2人が驚愕の表情を浮かべる。
弟者は、何かまずいことを言ったのかと、そんな彼らを見つめ返した。

(;^ω^)「あ、兄者のことを覚えてるのかお?弟者!」

(´<_` )「?何を言ってるんだ?毎日ここに見舞いに来てるじゃないか。
今日だって、2人と入れ違いに出て行っただろ?
すれ違わなかったのか?」

(;^ω^)l从・д・;ノ!リ人『・・・!?』

困惑の表情を浮かべ、お互いの顔を見る妹者とブーン。
弟者はそんな2人の様子を見て、ますます意味が分からなくなっていった。

(´<_` )「・・・どうした、妹者?ブーン?」

(;^ω^)「・・・そ、そんなはず、無いお・・・」

(´<_` )「え?」

(;^ω^)「そんなはず無いお!」

いきなり大声を出したブーンに、弟者が身を強張らす。

(´<_`;)「え・・・」

( ^ω^)「・・・」


( ^ω^)「・・・一緒に、いたんだお」

(´<_`;)「なに?」

ブーンが、依然困惑の表情を浮かべたままの弟者の顔を、まっすぐに見据えて、言った。


( ^ω^)「事件を起こしたあの電車には、兄者も、弟者と一緒に乗っていたんだお」


(´<_` )「・・・え」





いつも いっしょ だったさ





いつか、兄者が笑みを浮かべながら言った言葉が、弟者の頭の中で反響する。




( ^ω^)「弟者は運良く、頭を打っただけで、他は打撲や軽症ですんだんだお。
でも、兄者は、打ち所が悪くて」

バツが悪そうに、弟者から目をそらして語り始めたブーンの隣で
妹者は手で顔を覆い泣きはじめた。

( ^ω^)「兄者は、即死だったんだお。
そして君は、頭を打って記憶喪失になってしまった」

弟者はぼんやりとそんな2人の様子を見つめるしかなかった。
ブーンが何を言っているのか 分からない。

( ^ω^)「兄者と君は、とても仲が良い兄弟だったお。
だからもし、兄者が死んだという記憶が戻ったら
ひどく取り乱して、君になにか悪い影響が出るかもしれないと考えたんだお。
だから」

l从;-;ノ!リ人「・・・ッ」

( ^ω^)「・・・僕らは、君に兄がいること、つまり兄者の存在自体を隠してたんだお。
兄者には、本当に悪いと思ってるお。でも、みんな君のためを思って」


じゃあ

じゃあ、毎日ここに見舞いに来ていた兄者はなんなんだ?



( ^ω^)「兄者だってきっと」


さっきだって、あのドアを開けて、ブーン達と入れ違いに・・・

答えを求めるべくして、ドアの方へとさまよわせた視線の先に、兄者がいた。




低い天井から伸びるつり革に、片腕をつかまらせ、こちらを見て笑っている。
そこはガタタン、ガタタンと、一定のリズムを刻んで揺れる、電車の中だった。



(´<_` )「兄者」

兄者は依然、くつくつと笑っている。

(´<_` )「なんだよ。
頭を打ったのは兄者の方じゃないか」

兄者は笑っている。

その笑いが、一人だけなにも知らなかった自分を馬鹿にして笑っているものなのか、
はたまた他の何かに対してこみあげてくる笑いなのかは分からない。

(´<_` )「ひどいな。みんなで俺を騙して」

そう言いながらも、弟者の口元は兄者と同じく、自然と笑いを形作っていた。



・・・ガタタン・・・ガタタン・・・



兄者が、余していた自分の左腕を持ち上げる。
弟者の体を通り越して、電車が向かっている方向へと指を指し、口を開いた。




来るぞ




激しい衝撃とともに、世界が振動する轟音。
弟者の意識は、眩い閃光とともに白色に染まった。





終わり

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