証券 K.2nd:兄弟の人生のようです

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兄弟の人生のようです   2008.09.20


「少し俺の話を聞いてくれないか」


「ある所に、そっくりな顔をした双子の兄弟がいたんだ」

「双子の兄弟は昔から、己の特性をいかして、うまい事やってきた」

「兄の方はなんにでも手を出し、飲み込みも早かった。だがすぐに飽きて他の物に気をとられてしまう」

「弟の方は、昔っから好奇心が少なくてな。だが、大器晩成型というんだろうか。しっかり取り組めば絶対に上達する事が出来た」


「んー……」


「二人とも自分の得意な事はよく理解して、うまくやってきてるつもりだった」

「兄は大人になってからも色々な物に手をつけたがるその性格から、様々な職種についた」

「自分の想像力を発揮して世界を変えるのが楽しかったんだろうな」

「そのうちプロデューサーになった兄は、奇抜なアイディアを量産し、今までのテレビ界をがらりと変えた」

「彼の受け持つ番組は高視聴率をたたき出した。少ない予算で大きく元を取る事も、評判の種となった」



「その頃の弟とはというと、昔から読み書きが好きだという事で、小説家を経て放送作家になっていた」

「彼の書く話も素晴らしかった。連続ドラマは常に話題の的。映画化だってなんのその」

「二人とも成功した。だが二人は大量の人間に揉まれるうちに、自分の性格を忘れてしまったんだろうか」


「今まで色んな物に手をつけて放棄する事を繰り返して来た兄だが、なぜかその仕事をやめる事は無かった」

「弟は仕事で一緒になったという女優と結婚した事を機に、裏方から表の世界へ顔を出すようになっていった」

「最初はよかった。兄も相変わらずの敏腕プロデューサーだったし、弟は批評家から芸人までこなす万能脚本家と呼ばれた」


「没落はそこからだ」




「兄は今まで、こんなに長期間熱中する事はなかった。だが自分でそれに気づくこともできなかった」

「その腕は次第に鈍り、奇抜なアイディアと呼ばれた物は一発屋と呼ばれ、高視聴率を出す事はままならなくなった」

「成長ぶりはすさまじいんだ。だが、その腕を維持する事ができないから」

「自然と熱中して来た事から離れ、他の物に集中するようにしていたんだろうな」


「かげりが見える前に手を離す。それが自然と出来たのは、若いうちだけだったって訳だ」

「弟の方は、脚本家をやめて芸能界に進出したはいいものの、いまいち影が薄い上、使い道がない」

「元々はただの物書きだ。演技が出来る訳でもないし、コネがあってもそれを生かす事はなかった」

「流行り廃りの激しいあの業界。彼がそれをやっと身につけた頃には、既に周りは見向きもしなくなっていた」

「妻は彼の元を離れた。芸能界も彼を閉め出した」


「そして彼らは……」




(-@∀@)「でも先生、今あなたはこの通り成功を収めているじゃないですか」

(´<_` )「ははは そうだな」

(-@∀@)「この話を出版化した際に思った事とかありますか?」

(´<_` )「うーん 自分の能力は理解しておけって事かな」

(-@∀@)「それにしても驚きです。今では名優であり脚本家であり、小説家でもある先生がそんな人生を送って来ただなんて」

(´<_` )「その失敗の積み重ねがあるから、今の俺がいるのさ」

(´<_` )「この通り、大器晩成型なんでね」

(-@∀@)「あ、お兄さんの方はどうなったのですか?」

(´<_` )「今は株の方でその能力を発揮させてるよ」

(´<_` )「だけど最近、『俺は昔からギャンブルが得意なんだ』なんて見当違いな事を言ってたから」

(´<_` )「もうしばらくしたら株はやめさせるつもりさ」

(´<_` )「でないと世界経済が彼共々泡となって消えてしまうからね」


(-@∀@)「そこまですごい人ってもしかして……あの億万長者の……」

(´<_` )「あぁ、流石兄者だよ」

(-@∀@)「やっぱり! 同じ名字ですもんね!」

(´<_` )「まぁ、落ち着きたまえ」

(´<_` )「今度俺は、あの兄の波瀾万丈な人生をモデルにした本を書こうと思ってるんだ」

(-@∀@)「へぇっ! 弟者さんの新作ですか! これはビックニュースだ!」

(´<_` )「題名は未定なんだが……。最後に教訓を書いてやろうと思っていてね」

(-@∀@)「教訓ですか。弟者さんの自伝の方は、確か 根気強く。粘り強く でしたよね」

(´<_` )「そうそう。それでこっちの方は、 引き際が肝心 にしようとかなと」

(-@∀@)「真逆ですね」

(´<_` )「それがいいのさ」



終わり

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