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l从・∀・ノ!リ人妹者とバルーンのようです   2008.09.08

1歩間違えれば数十メートル下の硬い地面へまっさかさまな不安定な足場。
だが、女の子は恐怖など微塵も感じさせない涼しい顔で
もう長いこと、お気に入りらしいその場所から動かずにいた。

その屋上には、子供用の遊具がぽつぽつと置いてはあるものの、子供の姿はまったく無く
入り口付近に設置された、頼りない点滅を繰り返す自販機の前で
イチャつくカップルの姿が見えるのみである。

l从・∀・ノ!リ人「~♪」

カップルのことなどどこ吹く風といった様子で鼻歌を歌いだす女の子。
と、その背中に2つ同時に重なった声がかけられた。

『妹者』


女の子が振り返ると、そこには、顔も背丈も服装も、そっくり同じな2人の青年。
一体いつ現われたのだろうか?屋上への入り口が、開かれた形跡は無い。

( ´_ゝ`)「やっぱりここか」

l从・∀・ノ!リ人「あ!おっきい兄者にちっちゃい兄者!」

(´<_` )「何してたんだ?」

l从・∀・ノ!リ人「下の道路を眺めてたのじゃ!
       なかなかおもしろくて妹者は好きなのじゃ」

( ´_ゝ`)「そうか。何が見える?」

l从・∀・ノ!リ人「あそこを歩いてる男の人、
何度も口から丸い物をふくらませていて面白いのじゃ」
女の子が指差す方向に、兄と呼ばれた2人も顔を覗かせる。
しかしそこは数十メートルはある建物の屋上。
普通ならば、胡麻粒ほどに見える眼下の人々が何をしているかなど見えるはずは無い。


しかしこの双子の兄弟、そんな常識お構いなしに、指し示された方向に視線を向けると
風船ガムをくちゃくちゃと噛んでいる、髪を金色に染めて耳にピアスをつけ
だらしない格好で歩く、いわゆるギャル男の姿を目で捕らえた。
一体どれだけ視力が良いのだろうか。

( ´_ゝ`)「ん?どれどれ。ああ、あれは風船ガムだな」

l从・∀・ノ!リ人「ふーせんがむ?」

(´<_` )「そ。今は順調に膨らんでいるみたいだが・・・ほら、見てろよ妹者」

双子の兄弟が、右手の人差し指を伸ばして拳で銃を形作り、
2人同時に下界を歩くその男に向けて構えた。

( ´_ゝ`)『バン!』(´<_` )

  _
(;゚∀゚)「!?」

途端に、ふくらましていたガムが男の目前ではじけ、仰天した顔にべったりとはりつく。
慌ててはがそうとするが、ねちゃねちゃと指に纏わりついてなかなか上手くいかないようだ。


( ´,_ゝ`)「あはは!調子に乗ってギリギリまで膨らますからだ」

(´<_,` )「あーあ、自慢の金髪にもしっかりくっついちゃって可哀想に」

同じ仕草でけたけたと笑う双子のかたわらで、妹者は不思議そうに尋ねた。

l从・∀・ノ!リ人「ねーねー兄者達、ふうせんってなんなのじゃ?」

( ´_ゝ`)「ん?妹者は風船見たこと無いのか?」

(´<_` )「風船っていうのはな、ゴムで出来た丸い袋の中に、
      ヘリウムっていうガスを入れて膨らませたものだ」

l从・∀・ノ!リ人「へりうむー?なんかよく分からんのじゃ」

( ´_ゝ`)「うーん、つまりな、ぷかぷか浮くゴムのボールみたいなもんだ。
      カラフルで、貰うと結構嬉しくなるな。あれは」

l从・∀・ノ!リ人「ぷかぷか浮く!?見てみたいのじゃー!」

( ´_ゝ`)「前はこの屋上でも配ったりしてたんだけどな。
      近頃はすっかりここも廃れてしまったから・・・」


そう呟くと、兄者と弟者は寂しそうに屋上を見つめた。
子供がいない屋上、誰も遊ばない古びた遊具。
平日とはいえ、この寂れ具合は酷いものだった。

(´<_` )「たまに来るのはDQNのバカップルだけか。寂しいもんだな」

溜息まじりに、自販機前でイチャつくカップルを見やる弟者。

l从・∀・ノ!リ人「あ、あのお姉ちゃん達チュッチュしはじめたのじゃー」

Σ(;´_ゝ`)「うおぅ!?
      そ、そうだ妹者!風船を見にいかないか?」

激しく絡まりあいはじめたカップルの姿を見せまいと、慌てて妹者の両目を手で覆いながら、兄者が提案した。

l从∩∀∩ノ!リ人「え、風船見れるのじゃ?見たい見たい!
           っていうか、おっきい兄者何するのじゃ!手が邪魔なのじゃー!」

(´<_`;)「おお、それはいい提案だな兄者!
      さっそく行こうじゃないか!」


弟者も同様に慌てた様子でそう言うと、ひょいっと手前の柵に手をかけ、その上に降り立った。
すると兄者も妹者を脇に抱えたまま柵の上に飛び乗り、
妹者を真ん中にした状態で手をつないで三人並ぶ。


( ´_ゝ`)『いくぞ!』(´<_` )

l从・∀・ノ!リ人「のじゃー!」


一声そう叫んだ三人は、足場にしていた柵を同じタイミングで蹴り、小さく跳んだ。


途端、重力に引っ張られ見る見る間に降下していく体。
多くの人々が行き交い、混雑するアスファルトの地面がせまってくる。
死を予感させる光景を前にしても、3人は悠然とした表情のままだ。

地面まであと数メートルというところで、兄者と弟者がニヤりと不敵な笑みを浮かべる。
瞬間、見えない何かに押し上げられたかのように、三人の体が空中でフワッと浮き上がった。
それ以上降下しない体を垂直にして、まっすぐ空中を飛んでいく。

  _
(#゚∀゚)「ああっ、ちっきしょー!髪にガム絡まりやがった」

自分達の頭上を、2人の青年と女の子が手を繋いで飛んでいることを
通行人達はまったく気づかない。

兄者と弟者と妹者は、そんな人間達を眼下に眺めながら、愉快そうにくすくす笑った。


( ´_ゝ`)「とうちゃーく!」

しばらくして三人が足をつけたのは、ビルの上に浮かぶ巨大な球体の上。

l从*・∀・ノ!リ人「おおー!このおっきくて丸いのが風船なのじゃ?」

(´<_` )「宣伝用のアドバルーンだがな。まあ、これも立派な風船だ」

大きなアドバルーンに並んで腰を降ろし、白い雲の漂う晴れ渡った空を仰ぎ見る。

( ´_ゝ`)「いい眺めだなー」

l从*・∀・ノ!リ人「のじゃー」



(´<_` )「しかしあれだな。
     こんなアドバルーンがうちのデパートにも浮かんでたら、少しは客を呼べるだろうに」

( ´_ゝ`)「そんな金無いだろう。持続費だって結構かかりそうだし」

l从・∀・ノ!リ人「じゃあこのアドバルーンを貰っちゃえばいいのじゃ!」

( ´_ゝ`)「おっとそいつは駄目だぜ妹者。アドバルーンの誘拐だ」

(´<_` )「廃れたデパートの屋上には、客足が遠のくのが自然というものなのさ。
      これも時代の流れだ、しょうがないよ」

l从・∀・ノ!リ人「むー・・・だったら、デパートに来てくれるように、みんなに呼びかけるのじゃ!」

妹者はすっくと立ち上がると、大きく息を吸い込んで、口の両側に手を当てて叫んだ。



l从・∀・ノ!リ人「日曜日はVIPデパートの屋上に遊びに来てなのじゃー!
         きっと楽しいのじゃー!」


妹者の可愛らしい声は、青空に吸い込まれて消えていく。
いきなりの妹者の行動に目を丸くした兄弟は、数秒間顔を見合わせた後プッと噴きだした。

( ´,_ゝ`)「あはは、そりゃいい!よし、俺らもやるか弟者!」

(´<_,` )「他ビルの広告用アドバルーンに乗ってデパートの宣伝とは、流石だな妹者」

それからしばらく三人は、アドバルーンの上で思い思いにVIPデパートの宣伝を叫んだ。
彼らの声は地上にいる人間達には届かない。
だが、その聞こえない声を感じ取ったのか、フと顔をあげた子供達も何人かいたようだ。



空にオレンジ色が混ざり始め、日が沈もうとした頃
兄者と弟者と妹者の三人は、満足した様子で腰をあげた。

( ´_ゝ`)「さて、それでは帰るか。我らがVIPデパートに」

l从・∀・ノ!リ人「おー!」

お互いに手をしっかり繋いだことを確認したら、再び地を蹴り急降下。
フワリと風に乗って、三人はデパートの屋上に帰っていく。


その週の日曜日。
VIP屋上では、聞こえないはずの妹者達の宣伝が効を為したのか、
子供達の明るく楽しげな声が響いていたそうな。



(*´_ゝ`)人l从*・∀・ノ!リ人人(´<_`*)
「「「よっしゃー!」」」




子供達の笑い声に混ざって、嬉しそうに手を取り合う兄妹の歓声が
どこからともなく聞こえた気がした。





おわり



お題
・風船
・ヘリウムガス
・妹者
・ギャル男
・屋上

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