証券 K.2nd:('A`)ドクオは、捨てられなかったようです

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('A`)ドクオは、捨てられなかったようです   2008.08.11



ぴぴぴぴぴ

目覚まし時計が鳴っている。
俺は、憂鬱な気分でそれを止めた。
今日は学校だ。誰に、何が起きようと。

今日は学校だ。起きて、準備をしなければ。

('A`)「……」





('A`)ドクオは捨てられなかったようです






どっ、どっ…、どっ、どっ…
心臓の音が酷い。
('A`)「っ…」
唾を飲み込み、深呼吸をする。
('A`)「ふぅぅ…」
息を吐きながら制服を手に取る。
まだ、心臓が、うるさく鳴っている。
その息を吐く唇が、全身が、震えているのが分かる。

病は気から、病は気から。
それを頭の中で何度も繰り返し、自分に言い聞かせながら着替える。

('A`)「ダメだ…駄目だ…お前は、強い…」

そう、必死に言い聞かせる。

歯を磨くまでが酷くだるい。顔を洗う事さえも放り出したくなる。

('A`)「あぁぁ…」
腹から何かが出てきそうな不快感。うずくまりたくなるが、頭を抱えるだけで耐える。
うずくまったら、そこから動けなくなる気がした。






('A`)「…」
私立で良かった。
一人だけの通学路。
後ろ指を指されず、唯一安心出来る時間。
『VIP駅、VIP駅です。御下りの方は…』
('A`)「…はぁ」
それも、目的地に着くことで地獄の時間に早変わりするのだが。





学校に着く。
生徒達の流れに沿って、俺も下駄箱に行く。
上履きを履き替え、教室に向かう。
途中、俺に激突してくる者もいたが、こちらを見てニヤニヤ笑いながら、走って行った。
('A`)「…」
無視。
それが、俺の受けている仕打ちだ。
上履きに画鋲とか、椅子に接着剤とか、机に落書きとか、そんな事より遥かに楽だと思っていた。初めの内は。
だが、時が経つに連れてその考えは甘かったと気付く。
俺の存在は無いとされ、目の前で陰口を叩かれ、目が合うと即目を逸らされる。
プリントは勿論回されず、教師の下にそれを取りに行く途中に足を引っ掛けられる……





('A`)「はは…」

思わず笑ってしまう。
自分が、余りにも惨めで、情けなくて。

小学生の時は、友達もいて、学校も楽しくて、

中学に行っても、同じ様に過ごせると思っていた。

('A`)(こんな…こんなハズじゃ、無かったんだけどな…)

向こうでは、俺を見ながらクスクス笑っている女共が。
俺の横では、俺の悪口を言って盛り上がっている男共が。

俺は、思わず泣きそうになり、机に突っ伏した。






「何してるの?」
俺の近くで、誰かが話している。

「あれ? 返事が無いお…寝てるのかおね?」
どうやら、俺の事を話しているみたいだ。

暴力。そんな考えが頭の中をよぎり、無意識に体が堅くなる。

起きなければマズいんじゃないか?

俺はそう思い、恐る恐る頭を上げた。







('A`)「な、何か…?」

だがそこにあったのは、思っていたより優しい笑顔で、
( ^ω^)

思っていたより、人の良さそうな顔で、
(´・ω・`)

( ^ω^)「おっ。今からお弁当一緒に食べないかお?」
(´・ω・`)「もちろん、君が嫌じゃなかったら、だけど」
そして、思っていたより、ずっと、ずっと優しく、嬉しい言葉だった。





ガタガタと机と床がぶつかる音がする。
早々に机をくっつけた俺達は、周りの準備を待っていた。

('A`)「あの…」

( ^ω^)「お?なんだお?」

('A`)「俺の名前、ドクオって言うんだ。だから、さ。君達も、名前、教えてくれないかな…」

恐る恐る聞いてみると、二人は快く答えてくれた。

( ^ω^)「名前かお?僕はブーンだお!」

(´・ω・`)「僕はショボン。よろしくね」

よろしく。その言葉が、こんなに嬉しいモノだとは思わなくて。

(*'A`)「よっ、よろしく!」

(*^ω^)「急にテンション上がるなおwwwwww」

(*'A`)「へへっwww」


入学してから初めて、俺は学校で笑った。





そして、三年目も終わりに近付いて来た十一月のある日。





俺は、聞いてしまったのだった。







その日はたまたま先生に用があり、二人に教室で待ってもらっていた。
内容は卒業後の進路の事で、少し話が長引いてしまい、最終下校時刻も近くなっていた。
二人はもう帰ってしまっただろうかと考えながら急いで教室に戻ると、中から二人の声が聞こえ、気になった俺は立ち止まり、ドアの隙間から教室の様子を覗いた。


( ^ω^)「ドクオ、遅せーお。いつまで待たせる気だお…」

机に腰を掛けたブーンが、イライラした様子で目の前の机を蹴る。

(;'A`)(あの机……俺のだ…!)

机は、蹴られた反動でそのまま床に倒れた。空しく、ガン、と言う音を立てながら。




(´・ω・`)「ま、無視して帰っても良かったんだけど。でも、それじゃあ今まで何のために『友達』をやってきたのか分からないからね」

倒れたままの机を踏みつける様に足を乗せ、ショボンはほくそ笑んだ。

(;'A`)「…っ!」

( ^ω^)「虐められっこを助けた優等生。印象面にはかなり影響があったハズだおwww」

(´・ω・`)「まぁ、元々先生の印象が良かった所にそれだからね。かなり上がったハズだよ」

( ^ω^)「これで内申あがるおwwwうめぇwwwwww」

(´・ω・`)「ふふ、それに、友達ごっこより楽しい暇つぶしは無いしね。まさに一石二鳥だ」





(;'A`)「嘘だろ…?」

(´・ω・`)「!」
( ^ω^)「!?」

思わず出てしまった声。そのせいで二人はこちらに気付いてしまったようだ。

俺を見て、二人は気まずそうに目を反らした。

(;^ω^)「おっ…ドクオ、これは…」

ブーンが、必死に弁解の言葉を探して、譫言の様にこれは…その…と呟いた。

(;´・ω・`)「ドクオ……?」
ショボンは、何も反応の無い俺の様子を、窺うように見ている。




気にするなよ。俺がいけないんだから。


そんな目で、俺を見るな。


その動揺した仕草も、不安そうな顔も形式的にやっているだけなんだろう?


全部、全部嘘だったのか?


ごめんな。俺の為なんかにそんな気を使わせちまって。



諦め、怒り、悲しみ、絶望、罪悪感

全てが入り混じって、俺の中でぐちゃぐちゃになって、

( A)「……っ!」

爆発した。





俺は、逃げるように教室から出た。
校舎から出ても、ドラマみたいに呼び止める声は聞こえなかったし、追ってくる様子も無かった。
無意識に期待してしまっている俺が、心底嫌になった。



三人で歩いた通学路。


ブーンがふざけて遊んで、派手にコケた公園のブランコ。


こっそりエロ本を回し読みした空き地の土管の影。


みんなで一緒に試験勉強をした図書館。



今までの記憶が、通り過ぎる中で走馬灯の様に蘇る。


( A)

蘇った瞬間、それらは俺の中で腐っていった。




とうとう俺は立ち止まり、そして、しゃがみこんだ。
もう、立ち上がれなくても良いと思った。



( A)「……」

親友、仲間、絆。そんなもの、俺は求めてはいけなかったんだ。

( A)「もう…」

友達なんて、そんな立派なモノ、求めちゃいけなかったんだ。

( ^ω^)『お弁当一緒に食べないかお?』
     『これで内申あがるおwwwうめぇwwwwww』

( A)「何も……なに、も」

そんな幸せなものを、俺は。

(´・ω・`)『僕はショボン。よろしくね』
      『友達ごっこより楽しい暇つぶしは無いしね。』

( A)「もう、何も……」






それでも、希望は捨てられなくて、
裏切られるのも分かっているのに、友達との楽しい日々を想像して、憧れてしまって。

傷付くのも分かっている。なのに、憧れは捨てきれなくて。

これからは求めないから、俺は、求めちゃいけないから。



(;A;)「なにも、求めないから…!」









許してくれ。愚か者の俺を。
許して下さい。社会の塵を。


('A`)ドクオは、捨てられなかったようです

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